観自在
禅修行、という形で仏縁が結ばれる29歳まで、私はいくらか誇らしげに『無宗教人』なることを自覚していた時期があった。 仏教に対して無関心であり、ときおり耳にする『輪廻転生』などという言葉を聞くと、異物に対する過度な免疫反応の如く 仏教的なる陰気…
昨日、どなたかのブログを拝見していると、坂本龍一氏が3月28日に亡くなられた事を知らせていた。 つい先日、パリへ小旅行してジュンク堂書店で彼の自伝『音楽は自由にする』を買って読んだことで、私はブログに彼の事を書いた。 2023年1月9日のブログ記事〜…
スイスに三十年来住んでいながら、ろくにスイスに関する情報を発信しない我がブログ・・・。 しかし、いよいよこれぞと自信を持って言える事柄を実体験しつつあるので、ここに書いてみようと思う。 というのは昨日、今は二人とも老人ホームに移り、あるじ無…
『玉石混交』・・・などと言いながら、自分でも怖いくらいヒートアップするNetflix熱に困惑。(しかし罪悪感ゼロ) で、今回は感動しながらもその問題の深さにあらためて注目したのは、釈尊の郷里、インドの最下層の子供たち救済の話であった。 アブラハム・…
Netflixは玉石混交・・・と思っているので、先ずはちょっと覗くつもりで観た『オリジナルドキュメント』と称する犯罪物『Making a Murdere・殺人者への道』は 思いもよらぬ深い衝撃でもって、私をのめり込ませる犯罪実録ドキュメントであった。(一話一時間…
新しい四文字熟語を創ったかもしれない? 『過未去来』・・・『かみきょらい』とでも読ませて、仏教の観自在菩薩の『空』の立場と量子科学レベルで今は仮説である 『ゼロ・ポイント・フィールド』と呼ばれる場が存在し、宇宙の過去、現在、未来の全ての出来…
先日来、『品がある人』・・・の『品』という字が気になっている。 ヨーロッパに住んでいても、『品がある』・・・としか形容できない人に稀に出会うことがあり、このような人を形容する フランス語があるのだろうか、と訝(いぶか)ったりしている。 辞書に…
東京の京王プラザホテル・オープンの年(1971年)に北海道の田舎から高卒者として、就職した私がその数ヶ月後にそこを辞して 何故か関西に行き、神戸(芦屋)のある芸術学院の写真科の看板を見た時に、初めて自分の進路…を見出した気になった事(直観的に)…
『禅修行』について語るとき、『坐禅』そのもの、或いは『禅問答』について語られることが大半であると思う。 雲水として禅寺の僧堂で修行した者であれば、半端ない『作務』について語る人もいるだろう。 私のように居士(一般人の修行者)として土日坐禅会…
禅宗の原理と言われるものに、『不立文字・教外別伝・直指人心・見性成仏』の4つがあるなか 私にとって最もわかりにくいと思えたのが『直指人心』であった。 しかし今思い返せば、そのことは『坐禅の初心者』の時期にイヤというほど長期に渡り体験してきた…
禅は然り・・・ 禅とは何かと問うけれど 知ってて当然 自然だろ。 私しゃ 偶然出逢ったが 山見りゃ 泰然 海 悠然 禅に出逢うは 必然じゃ・・・ 馬骨 『禅』のZen…という発音が 『然』と同じというところに ちょっとこだわっていたら、こんな詩ができた。 で…
『 張り過ぎず 緩め過ぎない いい加減 観音奏でる 琴ノ音の糸 』 『 琴線は 生死の糸よ 観音の 奏でる音色 慈悲と響けば・・・』 早朝寝床でうつらうつらしていると、こんな短歌が出てきた・・・。 早く書き留めなければ…と思い起きて書留め、日付をみると12…
10月29日韓国ソウル梨泰院での154人圧死事故の悲報は、世界中の人を震撼させた。 この事故が起きる以前、私は『道の字』の『首』について考察していて、これについて何かブログに書こうと思っていた。 『漢字』の著者・白川静氏によると『道』の字の『首』に…
『ラスト・サムライ』2003年に公開された映画は、エドワード・ズウィック監督、主演トム・クルーズ、 渡辺謙 助演で大変話題になった。 私はスイスでオリジナル英語版(フランス語字幕)で見て、英会話部分の60〜68%ほどしか理解出来なかったものの サムラ…
『仏教と華』の関係に私はいまあらためて注目している。 なかでも『蓮華』と仏教とは切っても切れない関係があって、それは仏教がインドで発生、発展した事も理由であろうが 『煩悩の泥沼から美しい悟りの花を咲かせる』・・・という仏教の特徴を見事に象徴…
近ごろ読み終えた本は曹洞系の禅僧の著書。 曹洞宗の坊さんは、『悟り』を汚い!…と言わんばかりに『悟り』を毛嫌う傾向があることは知っていたが。 曹洞禅は本来『只管打坐』や『黙照禅』と称し、『ひたすらの坐』を慮ると思いきや、色々小難しい理屈をこね…
ツボ・・・といっても、いま巷で騒がれている統一協会・霊感商法の『壺』ではなく、鍼灸のツボ(経穴)の話。 私は29歳(1981年)のとき、新宿の『東洋鍼灸専門学校』に入学し、鍼灸を習い始めたが 最初は怖くて、他人はもちろん自分にすら鍼を刺すことが出…
以前より、日本文化と西洋文化の対比・・・というような命題に対する一つの答えとして 『装飾』というキーワードが私の頭をよぎっている。 『装飾』を廃する方に力が働いている文化が日本文化で、よりすぐれた『装飾』を楽しみ、評価する文化が西洋文化のよ…
仏教は6世紀頃日本に伝来したらしい。 『神仏習合』…という分かったような、解らないような言葉で古来の『神道』と新参の『仏教』が合流した。 その詳しい経緯(いきさつ)は知らないが、馬骨流解釈では『合流』も無理はなく、なるべくしてなったといえる。 …
今日は漢字在菩薩に登場を願って仏教の定義をしてみたいと思う。 そもそも漢字在菩薩とは何か? についてはこちらを参考… 2022年2月8日のブログ記事『漢字在菩薩』 『仏教とは、人をして無(ム)にする教え。 無(ム)から仏にする教え』・・・と、読んで字…
たぶん禅というのは、仏教をより新しい感覚で、時代にマッチした形を創造し、衆生にアピールしようとしている菩薩の性(さが)の働きなのでは。 だから禅は『無』を強調し、いかなるイデオロギー的なものから遠ざかり、真に自由であろうとする。 それで世界…
どこからやってきた『上から目線』のテーマ? 今日が『敬老の日』であると知ったのは、たった今だから、このテーマの出どころではありえない。 そもそもこの言葉『上から目線』・・・って、私が日本に居た頃、あまり耳にしたことがない気がする。 私自身はこ…
今日の話は、私の妄想力の最たるモノの一つになるかもしれない。 2045年というと一般に『シンギュラリティ(技術的特異点)』の年として知られている。 その『AI』研究は副産物として『仏道AI』を促す、どちらの『AI』も結局、道元の『自己を習うなり…』に集…
私が高校一年の時、実母が死に、結婚したばかりの姉のお婿さん、つまり義兄が私の親権者となった。 以来、姉夫婦のところに遊びにゆくと義兄は実の弟のように可愛がってくれた。 その義兄がまだ存命中、北海道の田舎に二軒目の自宅を建て、その家をスイスか…
今日三度目、映画『メッセージ』を鑑賞。今回は吹替版であったので細かいニアンスも理解することができた。 この映画に関して去年ブログに書いたので参照を願う。 2021年7月3日のブログ記事 この映画はたぶん、観るたびにインスパイアするモノがある優れた作…
我ながら、このタイトル『仏道というAI』・・・面白いと思う。 いわゆる『AI』は(人工知能=Artifici Intelligence)で、色界における究極の『知性』を目指す。 この『AI』が決して到達することが出来ないのが『仏道AI』なのだ。 道元禅師曰く『仏道とは、…
『不立文字』(文字や言葉で伝えられない境地)を重んじる禅の修行した自分がこれほど文字・言葉にこだわる ことになるとは、不思議な気がする。しかも、30年にわたってスイスに住んでいるのに・・・。 仏教をまともに勉学しようとすると、どれほど困難であ…
『漢字』に目覚めて以来、『漢字は東洋思想を解く方程式』である・・・などという大胆な提唱をしている。 考えるに、私達日本人は生まれてすぐ、両親によって子の幸福への願いを込め、よりすぐった『漢字』で名前をつけられる。 『袖触れ合うも他生の縁』で…
禅というと『禅問答』・・・を第一に思い浮かべる人が多いのではないだろうか。 私が修行した臨済宗では、修行者に対して『公案』という『問題』が与えられ、老師が『OK』するか こちらが『KO』するまで、その『問題』と対面し続けるもので、私に言わせれば…
昨日朝 近所を散歩に出かけると 日本で言う小学校1年生? 制服こそ着ていないが背負っているリュックは新品。 地元では夏休みが終わり新学期が始まったようだ。 お母さんが眩しそうに、我が子を見ている。 初々しい気分が感染った気分。 定年退職の『俺たち…