ふと 親父のことを 考えてしまった。 十年に一回あるかないか めったに親父のことは 考えたことがないのに。
ボクが生まれてまもなく 病気がちの母と2人の子供を 残して蒸発・・してしまったのだ。
我が家族の運命が この男の蒸発で 決まってしまった。
ボクが7歳で小学校にいくまで 姉とは別々に育った。 どのくらいか知らないが 姉は孤児院に行き
ボクは あちこち たらい回し(この表現は好きでないが)にされ 7軒目に落ち着いた。(らしい)
そんな感じで 小学生の頃になると 友達には 面倒なので 親父は死んだことに していた。
実際には 2、3年に1回くらい 家に立ち寄っていたようだ。 ボクは親父にどう接していいのか わからなく
多分 面倒くさい・・・と思っていたと思う。
兎に角 縁の薄い 親子関係だったので 似たところなど 無いだろうと 思っていたのに
ただ一つだけ やたら似ている点を 認めないわけにはいかない ものがある。
それは “根無し草” である点だ。
何ごとにも 属さない・・・みたいな。 其の点だけは やはり血は水より濃い ことを認める。
スカイプをつけてから 縁の薄い姉が よくスカイプで連絡をしてくるが
その理由の一つは ボクが 増々 親父の面影を 見せている からではないかと思う。

3・11 2012 の 根無し草雲