拈華微笑

自ずと示される道は、自ら歩むことで到る・・・自然

スイスの羊飼い

 最低でも週に2回は なんだかのパフォーマンス(オペラ・演劇・展覧会等々)に出かけるという タフな義父母から
 誘われて ジュネーブ近くの街 ニヨン(Nyon)で行われている映画祭・ Visions du Réel へ出かけた。

 義父母の友人の息子が監督した ドキュメント映画「Hiver Nomade」(冬の遊牧者はベルリン映画祭参加作品)
 は 冬のスイス国内を 4ヶ月に渡る男女2人の羊飼いの移牧のようすをドキュメントしたもの。

 「羊飼い」という言葉はよく耳にするものの 実際にどんなことをするのか だいいちスイスにそれを職業として
 いる人々がいることすら 知らずにいたけれど このドキュメントをみて よくわかった。

 800頭の羊を 2人の羊飼い、3頭のロバ、3匹の犬を使って 冬の野原を600kmを移動する。一日平均5Kmの
 移動だそうだ。 
 羊飼い・・・というとどこかロマンチックな雰囲気が漂うが ドキュメントを見る限り 楽な仕事には見えない。
 毎晩テントを準備して 焚き火で食事を用意 朝は河の水で顔を洗う、というボクにはできそうもないなぁ~。

 しかし、それでもロマンが漂っているところが この仕事の面白いところだろう。

 この羊飼いの男性パスカルは 53歳の 32年間羊飼いをしているベテラン、もう一人キャヲルは28歳の女性羊飼い。
 バスカルは男前だし キャヲルも女性として魅力的なのが 現実離れ・・・しているわけではなく(現実なのだから)
 それがいいのか 悪いのか それと羊飼いは 現実でありながら 浮世離れした面がある ところが不思議。

 移牧中 羊の持ち主(パトロン)が何回か来ては 屠殺する羊を選んで車で 連れ去っていく・・・そんなシーンも
 それまでロマンに浸っていた 気分に 冷水をかけられるような 現実として 織り込まれている。

           
            左は監督のマニュエル・ストレー 右は 羊飼いのキャヲル と 犬のトッツイ
  今夜20時 フランス大統領選挙 第一回投票結果がでた。 29,3%で 社会党のフランソワ・ホランド氏
  26%で 現職大統領のサルコジ氏 そして18%で極右翼のマリー・ルペン女史となり 
  2週間後に ホランド氏対サルコジ氏の 二人の間で 最終選挙が行われる!