拈華微笑

自ずと示される道は、自ら歩むことで到る・・・自然

畳に布団

  毎朝、布団(掛け布団のみだけど)を畳む時 スイスに住んで22年目を迎えるというのに なんでイチイチ布団たたまなきゃならんの?・・・。と
  諦めの心境ながら 毎回自問している。(畳むだけではなく、寝床に残っている敷き布団にカバー布をホテルのメイド並に 一皺も無き状態でなければ
  わが軍曹は やり直しをボクに命じるか 或いは延々と愚痴リながら彼女がやり直す。幸いなことにボクがこれをするのは 休日の時だけに限るが・・・)

  これは相方と一緒に日本に住んでいた5年間の 習慣を いまだに相方が ずーっと引きずっている事に 由来する。

  来瑞してから 最初の10年間は 床板に直接 日本から持ってきた布団をひいて寝ていた。朝起きると 部屋の片隅にたたんで重ね
  カバー布をかけて押入れ代わりとしていた。

  そして12年前に スイスの ”フトン”という一見、日本風フトン(昔学校で体育の時に使っていたマット・・・みたいなもの)
  や畳などを販売している店(東洋に憧れる外人用)で 畳2枚が高さ14cmの木枠に設置された畳み台を買い、その上に布団を敷いて寝ていた。

  そして5,6年前に 体育のマットレスみたいな敷き布団を買い そこに日本から持ってきた 煎餅布団を敷いて今日にいたる。

  だからこの22年間に こんな推移があったわけだ。床板にじかに寝る ➔ 地上14cmの畳の上に寝る ➔ 更に分厚いマットの上に寝る
  ・・・というわけでトータル約28cmの高さになった。・・・まぁ、自然に年齢に応じたというような結果になったわけだ。

  それでも 今回相方が転んで膝を怪我をしたが、膝を守るための長大なギブスの為に 寝床から起き上がるのが困難で ふと、ベッド・・が
  二人の頭に浮かんだ瞬間が あったことは確かだが、 だいぶ調子がよくなった今は 再びそんな気は起きないが 布団を畳まなくていい  
  ベッドに ボクはやはり 少し憧れている。 
  
      「無欲一切足」・・・・ね?