拈華微笑

自ずと示される道は、自ら歩むことで到る・・・自然

暗闇のダンス

  サラ自慢のバイクに 二人乗り 夜のハーレムを飛ばして どこかのアパートに着いた。

  招き入れられたアパートの中には 明かりがほとんど無く 人が密集して踊っている気配はするが 真っ暗闇で何も見えず 人が蠢いているのみ

  サラは友人と挨拶したようだが ボクに声を掛けてくる黒人は一人もなく 暗闇の中で 黒人たちは 無言で 体を揺するのみ

  「こりゃ、ご挨拶だね・・・」と、交流は諦め ボクも体を揺する・・・うちに これが彼らの 最高の「Welcome」なんだと思い直す。

  ふだんのままの 彼ら黒人の流儀が 目の前で 蠢き その重い沈黙のダンスが ボクに語りかけていたのに・・・その時はよくわからなかったのだ。

  どんな音楽だったかもよく覚えてない、サラが持って行った拍子木の 音だけが 悲しげに 暗闇に響いていた・・・ハーレムの夜。

        
                              ボクの写真 Good-by New York 1985 より