拈華微笑

自ずと示される道は、自ら歩むことで到る・・・自然

フランスの真珠・Barbara


                       


             ゲッティンゲン

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     もちろんセーヌ川はない。
     ヴァンセンヌの森もない
     それでもやはり
     そこには多くの喜びがある
     ゲッティゲンでは、ゲッティンゲンでは
     ※ゲッティンゲンはドイツの都市の名前。
   ※ヴァンセンヌの森は、パリの東部にある森林公園。

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     川岸もなく、口ずさむ歌もない
     人は嘆き、そして人は足を引きずって歩く
     それでもやはり
     愛はそこに花開く
     ゲッティンゲンでは、ゲッティンゲンでは

     3
     彼ら(ドイツ人)は私たち(のフランスのこと)は何でも知っている。
     私にはわかっている。(それを当たり前のことだ)
     私たちのフランスの王朝の歴史は(ドイツ人だってちゃんと知っている)
     ヘルマン、ペーター、ヘルガ、そしてハンス(だって知っているのだ)
     ゲッティンゲンでは、ゲッティンゲンでは
     4
     しかも(その上)誰も怒らない。
     しかし童話は
     「むかし、むかし」で始まる。
     ゲッティンゲンでは、ゲッティンゲンでは
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     もちろん私たちにはセーヌ川がある
     そしてヴァンセンヌの私たちの森もある
     でもすごいことに、そこのバラは美しいのだ
     ゲッティンゲンでは、ゲッティンゲンでは
     6
     私たち、私たちは薄暗い朝と
     ヴェルレーヌの灰色の心を持つ。
     そのとき、それは憂鬱そのものだ。
     ゲッティンゲンでは、ゲッティンゲンでは
       ※ヴェルレーヌ(1844~1896)フランスの詩人。

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     彼らが私たちに言うべき事がわからないとき
     彼らは私たちに笑ってそこにいる。
     しかし私たちは彼らを理解し続けている。
     ゲッティンゲンの子供たちの金髪を
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     驚かされた人々にとって悪すぎることに
     しかも(その上)他者たちは私を許す。
     しかし子供たちは同じである。
     パリでも、そしてゲッティンゲンも
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     おお。決して再び起こらせてはならない。
     血と憎しみの時を。
     なぜならば私の愛する人々がいるから
     ゲッティンゲンでは、ゲッティンゲンでは
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     そして(空襲警報の)鐘が鳴るかもしれないとき
     もし私たちが武器を再び取らねばならないならば
     私の心は涙を流すだろう。
     ゲッティンゲンのために、ゲッティンゲンのために
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     そこには多くの喜びがある
     ゲッティンゲンでは、ゲッティンゲンでは

     12
     そして(空襲警報の)鐘が鳴るかもしれないとき
     もし私たちが武器を再び取らねばならないならば
     私の心は涙を流すだろう。
     ゲッティンゲンのために、ゲッティンゲンのために