拈華微笑

自ずと示される道は、自ら歩むことで到る・・・自然

『飾り窓』の公案

      
       まず、ボクが見たのはこのパフォーマンスだった。狭いガラスケースの中に入って何かやっているようだけど・・・・
       近づいて見ると 若い男がドラムを叩いて・・・いるのではなく ステックの代わりに金槌でもって
       太鼓を叩き壊しているのだ・・・・。なんだこりゃ?・・・で帰る。

                
                 次に見たのがこれ。 同じガラスケースの中で ブランコに乗って座っている裸の美女!!か?・・・と、近づいていくと
                 なんか、おかしい?  女・・・と思っているのに 何だか男性器がある・・・ということで、もしかして両性具有?
                 この人の微笑みがなんとなく気持ち悪くて サッサと帰る。


                                 
                                  それで、三回目に見たのがこれで なんかショッキング・・・真っ裸じゃないの!!
                                  かなりの人々が見ていた、携帯で写真を撮っている人も沢山いた。
                                  そばで若い女性が何やら説明していたので ボクもちょっと質問してみた結果
                                  このパフォーマンスはローザンヌ街祭りの一環としてオランダのアーチストを招き
                                  10日間毎日違う人が登場するが、ちなみに今日のこの女性は元有名なモデルで現在81歳!・・・
                                  これが、強烈な印象を与えるのは視覚的効果だけではなく 裸の胸に設置されたマイクから
                                  彼女の力強い心音が規則正しく聞こえてくるからだろうか。

   毎回テーマがあって、ボクが見たドラムのが『 It's not art 』 2番めに見たのが 『 It's not my nature 』 そしてこの全裸が 『It's not my body 』・・・と
   ここまで若い女性に説明されると いよいよ明日の 最後の出し物に大いなる期待を・・・ボクはしてしまったのだ。

             そして、翌日見たものは これであった・・・・
             
              タイトルは 『 It's not me 』・・・・骨壷の周りに 蛆虫がびっしりと取り巻いている図・・・であったのだ!

   とにかく、このパフォーマンスはいろいろな意味で衝撃的であったが、 まず場所が教会の前であったこと、保守性のつよいプロテスタントの街ローザンヌであったこと
   エトセトラ・エトセトラ・・・ということでいろいろ考えさせられるモノであった。
   本質的な核心に人をして導こうとするのが『禅の公案』であるならば この飾り窓パフォーマンスも公案と受け止めることが出来た人もいただろうか。