(普段は朝早くから電車で一時間の隣り街ジュネーブで働いているので)
そこで気がついた事が、物乞いの人がやたら多い・・・ということ。
ジプシーの彼らがローザンヌで物乞いを始めてもう何年になるだろうか?10年前にはいただろうか?
よく覚えていないが、いたかもしれないが街の法令で一時『物乞い禁止』がでて物乞いが見られなくなった時期もあったが、その後
それが変わったのか?週末の土曜日なんか街にでていると必ず街のアチコチで紙コップを前に置いて座っているジプシーの老若男女
の姿を見かけて、ごく日常的風景になっていた。
時折、相方が「『物乞い』が20mごとにいて、街を歩いていても落ち着かない・・・」と嘆いていたことが、
今回自分で街を歩いてみて実感して、相方の嘆きがよく理解できた。
街の中心部500メートル四方の中に少なくとも20人ぐらいのジプシー(グループ)達が街の至る所に「座って」いるのだ。
以前は、彼らを見かけた時は、いくらかでも小銭をコップに入れたけれど今回街を歩いていて、その数の多いことに不気味なショックを
少なからず受けてしまった。
相方がこの問題で嘆いた時、ボクは「じゃ、無視したらいいじゃないか」と言った記憶があるが、
確かに、物乞いの人全員に小銭をあげる事は出来ないのだから無視する以外ないのであるけれども、街角の至る所に座る人々の視線を
無視して前を通り過ぎるのは小心者の自分には案外にシンドイ事であり、街を歩く楽しみを削ぐほどの風景であった。

と言うわけでもなく、今度は大好きなレマン湖岸に向かったのであるけれども、⬆この風景を見た時、また別なショックを受けてしまった。
水面に人が立ち上がっている風景が単に見慣れない・・・ということであるのだが、街中で「座」っている人々とは対象的に
水面に立って向かって来る人々のシルエットに近未来を支配する人間達の姿にダブって見えたのは、気の弱ったボクが見た幻影だったのだろうか。