拈華微笑

自ずと示される道は、自ら歩むことで到る・・・自然

必撮無眼流 〜 カオスの街(ルッツエルン・カーニバル)2005&6

  今日、ここにアップするのは、スイスに来てから撮った白黒写真。
  2005、2006年と連続して見に行った『ルッツエルンのカーニバルの写真』のスライド・ショーである。

  ボクの住んでいるスイスフランス語圏は基本的にプロテスタントなのでカーニバル(謝肉祭』がない。(一部の地域を除き)
  強いて言えば、隣り町ジュネーブではエスカラード祭という、1602年に(現フランス領)サボワ王国がジュネーブに夜襲、それを
  撃退したのを祝う祭りがあるが、60km離れている我がローザンヌの住民は全く興味を示さず、見たことがない人がほとんどだ。

  そんなだから、祭りとして噂の高い『バーゼル・カーニバル』と『ルッツエルン・カーニバル』をスイスに生活してから
  だいぶあとになって見に出かけた。(それもルッツエルンの方は相方は興味がなく一人で観に行った)

  バーゼル・カーニバルは評判は高かったけれど、ボクにとっては比べることが出来ないほどルッツエルンのカーニバルは
  特別であった。バーゼルの方はそれぞれ趣向を凝らしたグループが続々と街に繰り出す整然とした祭りであるが、
  ルッツエルンの方はしばらく時間が経つにつれ『異次元街』に紛れ込んだ感があって
  まさに良い意味で『カオス』であった。大小のグループあり、たった一人仮装あり、老若男女、家族や友人、観光客も巻き込む
  カーニバルで・・・文化にまで昇華したまさに『遊戯三昧』!

  ローザンヌやジュネーブの人達を『頭の固いカルヴィニズム』・・・といった悪口を時折耳にしたが、このカーニバルを見ることで
  その意味がよく納得できる気がしたものだ。(プロテスタント対カトリックの違いというようなものを初めて感じた事柄でもある)

  ルッツエルンという街はボクがガイドであった15年前には何度もよく行った街で湖あり山ありの静かなたたずまい
  の街、どちらかと言うと地味な街という印象を持っていたのであるが、カーニバルでは異次元であった。
   (しかし、ボクが見たのは1週間の間繰り広げられる祭りのほんの一日だけを撮ったものであるから・・・)