今回展示した写真の大半は 定番の週末湖岸散歩の際に撮りためた写真に短歌や俳句を付けたものである。
スイス社会の言い方では毎日普通に仕事をすることを100%の仕事、と表現するが、まぁボクも毎日仕事をしていて週末しか
写真を撮れないので自然、日曜画家ならぬ『日曜撮家』となって、別段これといったテーマがあるわけではなく
ブラブラと散歩する時にこれは!という風景に出会った時に一撮していたものが今回、形になった・・・という感じである。
まとめて見てわかったのは、やたらと野鳥が多いこと。
湖には白鳥、カモ、鷺、カモメ その他名の知らぬ野鳥が沢山いるのだから自然と風景の中のポイントみたいな感じで
写っている。昔人間しか撮らなかったのが、その後『猫』となり、徐々に『鳥』となったか?
しかし、考えてみればスイスのバレー州で盛んな『闘牛』も一時テーマとして撮りためてあるし、美しい乗馬用の馬を育成している
州の『馬』祭りなんかも何回か出かけて撮ったりして動物モノが意外に多い。
その反動もあってか、人間様をまともに真正面から撮った作品もある。
さて今回の写真展であるが、短歌、俳句付きの作品の発表は初体験。
ボクの俳句歴は2011年に始めたツイッターが動機であるから、6年目を迎えるが、なにせ独学というか
ブログやツイッターに時々一方的に載せるだけで批評なども受けたこともない七五調。
それでも緊張感も無く発表できるのは、どうせ見るのは外人さん、、、と思っているのか?
これが日本であったら、もっと緊張するのだろうか?やはり、いつの間にか浦島太郎状にあるのか?
ギャラリーの入り口の導入部に掛けたのがこの二枚


どの写真を何処に配置するか、最も楽しく悩むパートであるが、この青い鳥と青年の像の写真は最初に持って
いこうというのはなんとなく決めていた。後でその横に月の写真を配置した時、何故最初にこれが来るべきと
考えたのか自分なりにクリアーに理解できた。
成果の有無はとにかく、ボクは渡欧する直前まで禅の修行をしていた人間で、禅による生き方は、そうでない
生き方で行き詰まった人間に別な生き方の糸口を提示できるのでは…と思って来た経緯もあり、
写真にしろ短歌にしろそんな想いを無意識のうちにも託していたと思う。
そいう想いもあって、デカルトも哲学も何にも知らないけれど、西洋の行き方とはまた違う道も
ありますよ〜〜っ的な意味合いを持たせたつもりだけど・・・・。
ある中年の女性(地元のスイスドイツ語圏の人) は、感想を聞きに行ったボクの袖を引いて、
この写真の前まで来て『本当に、そうよね〜』…と言ってくれたのが印象に残った。