シャワーを浴びていたマダムが急に我々のところに近づいてきて、『ボンジュール、ニコル!』・・・
ニコルの幼友達のアンという女性だった。
『湖水浴場のそばに小屋があるので、ちょっと遊びにこない?』という提案を受け入れ、水着にタオルを巻いただけの姿の
彼女について公道を横切って小屋にお邪魔した。
彼女の姉の家の庭の片隅に建てた小屋、結構いきさつがあったという、ローザンヌ市の法律ではこういった場合
近所の人達の許可が必要で、隣近所に問うたところ、一軒だけ、賛同できない・・・と言われて、裁判沙汰になったそうだ。
ただの掘っ立て小屋で物置みたいなものであれば、問題はないのであるが、こそに時折寝泊まりする簡易休息所的小屋に
しようと思うと、こちらではいろいろ面倒な手続きが必要であると聞いて、スイスが細かいことにうるさい、規則満載の
国であることを、あらためて納得。
小屋には炊事用のプロパンガスがあるくらいで、室内に水も、電気もない、ベッドとテーブルしかない、簡素な小屋で
休日を過ごすのは悪くない・・・とのこと。
彼女は難民の子どもたちにフランス語を教える教師をしていたが、5日前に定年退職したという。
ボクと同じ1952年生まれで、近親感をおぼえたが、離婚する前はご主人とメキシコやアフリカ生活を体験したり
今はすっかり大人になった3人の子供を育てたりとか、人生経験の深さを感じさせる話に耳を傾ける内にあたりは暗くなって
『パンと茄子があるけど、食べていかない?』との提案を受け入れ、テーブルの準備を手伝う。
そしてその茄子は白かった。 電灯のないバルコニーのテーブルで食事を頂いたが、何も見えない食事・・・乙な味。

夕方に招かれた小屋はこんな感じ。

白茄子を輪切りにしているアン(実際はもっと暗くなっていた)