拈華微笑

自ずと示される道は、自ら歩むことで到る・・・自然

安楽プリズン

  

先日、ニコルが我がヴォー州(スイス26州の一つ)の地方紙の一面に載った上の写真を見せて、『これ何だと思う?』と聞くので『どこかホテルのシングルルームかいな…』と私が答えると、いやなんと、州が2026年完成予定の新刑務所・・・の完成イメージ図とのこと。

 

これが、刑務所であるなら、『考えものだなぁ・・・』と私は自分の住む家としてイメージしてはプリズン・ライフも可なり…などと妄想してしまった。

しかし、刑務所としてはどうなんだろう…あまりに快適すぎるのも考えものだ。

二度と戻りたくない…と思わせるくらいでなくては『刑務所』の意味が無いような気がするのだが…と、そこまで考えた時、私の頭は『禅寺の修行』を思い浮かべていた・・・。

罪を悔い改め、心底更生を望むなら、刑務所でこそ『禅の修行』こそは最適だ・・・と考えるのは、誤っているのであろうか?

そのへんをちょっと深堀りしたくなって、二つの映像を見た。

 

一つは、大昔に見た…なんかおぞましい印象しかなかった映画、『時計じかけのオレンジ』キューブリック監督

どうしょうもないような犯罪者自身が新しい治療法の『犯罪性反射神経抹殺機』にかけられ、単なる洗脳状態を引き起こすだけの手法を受ける、それは単に刑期を短縮するためだけが目的で、真の更生からは程遠い、禅の修行とは真逆のやり方だった。

もう一つは、2019年12月格闘技団体Rizin が配信した動画『朝倉未来、少年院を訪ねる』である。

朝倉未来(みくる)・・・というと、今若者の間で『路上の伝説』っていう喧嘩道を歩んで格闘技とYoutubeで一躍有名になった朝倉兄弟の兄の方で喧嘩や無免許運転などにより、少年院に16歳から18歳の1年4ヶ月間を過ごした。

それでこの動画では11年ぶりで少年院を訪ねて少年達を励ます・・・という動画であるが、朝倉未来が少年院での体験を話す場面があっていくつか関心したことがあった。

 

少年院では『私語禁止』、『笑うこと厳禁』で朝倉未来はその禁を犯して単独室という独房に2週間入れられ、トイレと食事以外は坐禅をさせられた・・・

私は、朝倉未来の人生の飛躍のキッカケがこの『坐禅』の経験にあると信じて疑わない。

彼が入ったのは愛知県の瀬戸少年院だそうだが、このように『禅システム』を取り入れている…というのは本当に素晴らしいと思う。

刑務所にしろ、少年院にしろ最低でも『私語禁止、笑い禁止』・・・これは重要で、釈迦が悟り、達磨や維摩が伝える『一黙行』は真実の自己を見つめる上で欠かせない『時』であると考える。

道元禅師は言う『坐禅は安楽の法門』であると。

          

少年院時代を回顧する未来(みくる)青年… いつの日か、禅をもっと深めてほしい・・・ものだ

 

 

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