拈華微笑

自ずと示される道は、自ら歩むことで到る・・・自然

アップル村のパンプキン

  秋の気配が強くなり、朝は8〜9℃、日中が15〜16℃ぐらいの気温で、今日は晴れていたが、風が冷たいので少し驚いた。

  今日は朝から我が街(Morges)モルジュの北の山側方面、電車やバスで30分ぐらいの村へ初めて行ってみることにした。

  電車で行くつもりでホームに行くと、故障のためバスで行ってください…とのことで、途中までバス、その後電車に乗り換えて村についた。

  その村の名前が『Apples』でアップル・・・という例のアップルと同じ発音。ただスペルの最後に『S』が付くだけ。

  こういった時、私はたぶん誰よりも言葉や文字にこだわる質であるので、フランス語圏のこの村の名前がなんで『Apples』なのか早速く気になった。

 

  今回なぜこの村に来る気になったかと言うと、新居モルジュに住んで2ヶ月、お店の店員さんとか、市場で出会った人、散歩していて

  出会った面白い人達が『私はアップルに住んでいます』…というのを何度も聞くので、二人共いつか行ってみたいと思っていたのだ。

 

  人口 1,200人 の村へ着くと、確かに田舎で北風が強い中、人影もほとんどない淋しげな気配。

  ナビゲーター役のまれにみる方向音痴のニコルは早速スマートフォンを取り出すも、どちらが村の中心の方向であるかも判断できず

  まったく当てにならない彼女の『感』に従って、車が行き交う幹線道路がゆるやかに下る方向に歩みを進めた。

 

  こういった時には成り行きに任せることにしている私は、彼女の後を追う形で冷たい風を受けながら早めに帰りたい…気持ちが湧いていた。

  とにかく風が冷たいし、まずカフェへ・・・というのは常に二人の意見は以心伝心するまでもなく一致していたので、たまたま車を下車した女性に

  カフェの場所を尋ねると、数十メートル先に村のカフェがあります、とのことで村のホテル兼カフェに入って一服した。

  30分ほど新聞を読んだり、トイレをすまして村の散策を開始。(結局このカフェはニコルが事前にチェックしていた、目標のカフェであった…偶然というか)

  一時間後に帰りのバスが来るまで村をブラブラして、この村から別な村へのルートなども今後の散歩道を開拓する為の研究に資しようという考えもあった。

  10分ほどブラブラしていると、『かぼちゃ販売』という絵看板が見え、そちらのほうへ歩みを進めると、陽に明るく照らされた『かぼちゃ群』が眼に入った。

     

  なんとまぁ、沢山の種類の『かぼちゃ』がこんな感じで棚に陳列されていて、日本人の名前『ショウキチ・シロ』という種のかぼちゃもあった。

  相方はすっかり興奮して歩み寄り、あれこれ手にとって品定めしたり、携帯で写真を撮ったりしていると、棚の向かいにある家から出てきた年配のマダムは

  販売をしているオーナーで、我が相方に親切にも、料理の仕方とかいろいろ説明をしてくれた。

  基本的に無人店なので、自分で重さを測って価格表で値段を確認して携帯で入金・・・というシステムになっていた。

  奥の方では、畑から採れたての大きなオレンジ色のかぼちゃを水洗いしている若い女性がいて、声をかけると気さくに話を始め

  彼女が洗っているのはまさに、『ハロウィン用』とのこと。それにこれだけの種類のかぼちゃをここ一軒で育てるのだそうだ。

    

     長身で美人の農家の方に出会えただけでも『アップル』村に来た甲斐があった図