拈華微笑

自ずと示される道は、自ら歩むことで到る・・・自然

桃源郷の仙人たち〜樹上読書老人

  私が日頃『桃源郷』ではないか、と思っているロマンモティエ…という名前の村は、人口500人でローザンヌの北30kmの所。

  我々の散歩コースとしては第4コースとなっている。

  スイスで最も古い教会、聖ロマモティエ教会があり、昔歌手のダイアナ・ロスが結婚式を挙げたことで有名になった村だ。

 

  相方のニコルが大好きな場所でよく散歩に行きたがる場所であるが、私はどういうわけかいつも気が向かない場所であったが

  なんどもお供しているうちに、駅から村に至る道の風情の素晴らしさが実感できるようになり、お気に入りの一つになった。

  駅から村へはわずか1.5kmほどであるが、清流の小川にそって四季折々の花や樹木をめで、その左手の牧草地に放牧されている馬などを

  眺めながら、この先の森の深まった小さな谷間に11〜14世紀に建立された修道院教会を中心に形成された村を訪ねるのだ。

  だから、車で直接村に乗り付ける人々はその風情を味わうことは無いだろう・・・。

  車のない遠い昔、徒歩でこの奥深い森の修道院教会を訪ねる…ということを想像したとき一層『桃源郷』という言葉を想起してしまう。

  それが決定的になった瞬間を私は先週この村で目撃してしまったのだ。 その貴重な証拠写真がこれ⬇︎⬇︎

        

           『樹上読書老人』・・・一瞬眼を疑ったが、桃源郷ならではの風景・・・

  世間体(せけんてい)という体裁からまったく自由に生きる仙人がやはりスイスにもいた!…と感動して一撮したら 『 Bonjour!』と仙人からの一言。

    『 秋の陽に 浮かれ仙人 樹上読書 学び魂 時空選ばず 』 :一撮

 

  この一枚の写真で自分が『写真撮家』であることを久々に思い出したが、この『桃源郷』こそ撮家を志す動機ではなかったろうか。

  『桃源郷』は場所ではなく『次元という時空間』であるとした時、この『桃源郷の仙人たち』はシリーズになる可能性がありそうだ。