"Wake up, Neo..."
"The Matrix has you..."
"Follow the white rabbit."
・・・とNeoのPC画面に、
"Knock, knock, Neo."
・・・次の瞬間、『白兎』のタトゥーを入れた女が迎えに来る…
1999年公開された映画『マトリックス』のメッセージはこのシーンに尽きる、と今では思う。
覚醒をうながす『白兎』は、いまの日本であれば『縁起物』といえようか。
5世紀に漢訳されたお経『涅槃経』に『一切衆生悉有仏性』と書かれていたそうだが、『誰もが仏性を持っている』、これが仏教思想のベースとなって今日までそれが伝わっている。
・・・と、私は禅を通してそれを確信したが、どうもそのことを今の世間の皆さんは誰もそのことをまったく気にしてない・・・ようだ。
覚醒といえば、2500年も前に釈迦が悟りを開いて『天上天下唯我独尊!』と雄叫びをあげ、その声が、『観音』となって日本にまで響いているが、誰もそれを真っ当に受け止める様子もない。
『一切衆生悉有仏性』であるはずであるから、じつは誰でも『あれッ…!』というような仏性からのメッセージを日常的に受け取っているのに、忙しさにかまけてメッセージを捉えられないでいるだけなのだ。
そう考えると私の場合、29歳で禅修行を始めるまで、まったく仏教とか仏性とか無縁であったと思い込んでいたが、そうではなく、4〜5歳ときから私の『白兎』は何かと私に声がけしていたように思う。
実際そうでもなければ、北海道の片田舎で生まれた私が、どうしてのこのこと北鎌倉の円覚寺なんかに坐禅しに行ったであろうか。禅修行中の時期だって、別に坊さんに成りたいわけでもないのに、自分でもわけが分からない思い(意思)に引っ張られるように通っていたのだから。
釈尊によって発見された『仏性』・・・その延長線上に映画『マトリックス』も制作されたと私は思っているが、そういった東洋思想の伝統のない西欧では、ITテクノロジーの影響化もありバーチャル(仮想現実)な方へと関心が向けられてしまった。
その点、日本は『仏性の覚醒』という伝統文化が基盤にあるので、『縁起物』で溢れている。
例えば『ダルマさんの置物』・・・これが禅の創始者であることを知っている者は何人いるだろうか?そもそも『縁起』とは覚醒に向けての『起爆装置』であることを認識して皆覚醒すべき。
"Wake up, Bakotsu..."
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