馬骨なり『行深般若波羅蜜多時』つまり『馬骨ディープラーニング』というのは、主にYoutube動画鑑賞よる学習であるが、先日、『認知症』をめぐる対照的な動画を観てあれこれ考えさせられた。
一つは、一ヶ月前ほどにPivotが配信した『2030−2040年の医療の地獄絵』という悲観的なタイトル動画で、『医療の真実』と題した著書を書いた京阪病院院長・熊谷頼佳氏をゲストに招いたPivotの佐々木氏との対談は、『日々認知症患者が一定数またはほとんどが適切な診断や治療を受けられず…』近い将来そういった高齢者が街に溢れかえることが、ほぼ確実になっている・・・という現状の訴えであった。
現場をよくしっている病院院長が豊富体験と沢山のデータ−から予想する高齢化社会の未来図というのは、司会者の佐々木氏をして『怖くなりました…』と言わしめるものであった。
そう言えば、先日の参議院選挙東京地区で『れいわ新選組』から出馬した山本ジョージ氏はかって服役した経験を『獄窓記』に書き、刑務所内には単純に悪いことをしたという事以外に、今で言う認知症などを患いながら適切な医療を受けられず、服役することで身を安全に確保している受刑者が多い現状を二十数年前に指摘していたことを思い出した・・・が。
私もあと2年で後期高齢者になり、いつ何時『ボケ』てもおかしくない年齢を考えると『怖い』話ではあった。
で、もう一つのYoutube動画であるが、
三枝英彦・・・という人の動画で、彼についてはあまり資料がなく彼自身のインスタグラムの自己紹介によると『インド工科大学・教授、アリゾナ大学・教授、脳科学者、専門・意識の研究・瞑想と悟りの脳科学と心理学、インド哲学。ニルヴァーナストーン代表 インドで15年、悟りを目指して修行の生活を送る。10年目に強烈な悟りを体験』 ・・・ということになる。
彼についていくつか動画を観たが、私が特に面白く拝見したのは、茂木健一郎氏の40分にわたるインタビュー動画で、インド郊外を走るタクシーの中での彼の話は実に面白かった。
『インドで15年、悟りを目指して修行生活…』という彼の私の印象は『悟り界のドン・キホーテ!』といったもので、良い意味で童心そのままで、楽天的に真っ直ぐな人という感じで、経歴の割には全く気取りがなく、さすが、インドで修行しただけはある。
一見すると、なんとなくいかがわしい詐欺師のような風貌であるが、茂木氏も一目置くロジャー・ペンローズ教授も認める人物だけに、確かに面白い人物が登場してきた。
この三枝氏によると『悟り』は、『うつ病』や『認知症』を予防し、そういった治療にかかる莫大な医療費を節約する・・・と言っていたことが、私には非常に印象に残り、最初に紹介したPivot動画の悲観論との対比に、一条の光を観る思いがしたのだ。
禅の修行、つまり坐禅もつまるところ、深い呼吸の探究であり、それが私が学んだ『丹田呼吸法』の木村弘昌著者が声を大にして言っていることは、横隔膜による深い呼吸で全身、特に脳への血液循環の有効性で、精神のみならず医学的視点からも健康に果たす『坐禅』修行の意義というのが、三枝氏の発言の裏付けにもなっているだろう。
私の尊敬してやまない、鈴木大拙が、死ぬ間際の96歳まで禅を説いていた事実などをみてもあるいは『悟り効果』というものが、実際にあるものなのであろうか。

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