今年の3月だったか、彼等、親子3人と家畜たちは突然引越して去った。
ローザンヌが州都となっているボー州は、昨日も書いたが、何に関しても規則の厳しい州であると聞いているが
カルトさんも、自分の牧場を様々な工夫を凝らして無農薬牧場としてアイディアを出して実現しようとするのだが
州の役員から無意味なダメ出しを出されて相当まいっていたところに、今年になってからそういった問題が噴出した
ところで、引っ越しを決意したそうだ。
そうなると彼等はアッと言う間に何処かに引っ越していって、若夫婦がそこを買い取って後を継ぐ事になった。
それまで、毎週末の土曜日はカルト無農薬食品店に来るお客様のために食堂小屋を開放する、おかわり自由の簡易レストラン
は、様々な階層の人々の溜まり場となり、博覧強記の牧場主トマスさんの話を中心に楽しいサロンを形成していたのだ。
(ボクの俳句、短歌をドイツ語に訳してくれたステファンにもここで出会った)
カフェ好き、お喋り好きなニコルは月に2回は出かけて、会話を楽しんでいた。
それが、急に引っ越してしまったものであるから、皆寂しい思いをしたに違いない。
一昨日の金曜日、カルト夫婦が朝のうち市場をだす、ビエンヌへ電車ででかけて、野菜やらパンを買うかたわら
トマスと奥さんの顔を見よう・・・ということになって彼等の屋台前で再会を喜び挨拶。
『よかったら、市場が終わったら新牧場を見に来ない?』・・・というお誘いを受け、『Oui !』という一つ返事。
彼等の市場が終了するまでカフェで待っていたら、偶然にも旧カルト食堂の常連夫婦に出会い、彼等も
カルト新牧場を見に行く予定なので、車に同乗しないか?・・・という話になってアラアラじゃご一緒に!
車で、30分ジュラ山脈の麓、カルト新牧場に到着、現代のハイジ、カルト氏の娘ベガがニコニコして我々を迎えてくれた。
以前の牧場の3〜4倍でかい敷地の牧場、そして築60年ぐらいのスイス典型の大きな家 その隣の牛舎や牧草庫なども
細かく我々4人をガイドしてくれた。
時刻は14時をすぎていたが、彼等が用意してくれた、自家製のイモ&チーズを使ったラックレットは
これまでスイスで食べたどのラックレットよりも一番美味いラックレット・・・であった。

年に2回ぐらいは 彼等の顔を見に来たい・・・ネ!