私は自称『我妻御用達専属カメラマン』と自笑し,これまで結構な量の相方写真を撮り続けているが、元撮人科写真家の端くれとしては、人のいない風景はどうも撮る気がしない・・・という理由で、相方を風景の『つま』として添えるのですが、最近彼女はシワやらシルエットやらを気にして撮影を断ることが増え困っていた・・・。
昨日は、昨年3月に参加して味をしめたガイド付き観光バスで『奈良大和四寺巡り』に再び参加し、朝8時から夕方6時までの長丁場に4っの寺を巡ぐったが、今回は春爛漫の時期で本当に美しい花々に囲まれた山奥の寺の参道に魅せられ、私ら夫婦は気が舞い上がっていた。
去年は3月ということで参加者も十数人であったが、今回は三十数人で、年配者を中心に夫婦、親子、友人、そして一人参加者といろいろあり、ゆっくりでなければ歩けない足の不自由な人たちも数人いるグループであった。
最初の寺で巡礼の白装束、襟の部分が真っ赤な紙チョッキが配られ、寺を巡る際着衣とのことで、各寺で出会う個人でお参りに来ている人達が、我々白装束グループをどのこの宗派グループか…と奇異な眼で見ているようで愉快だった。
確かに装束のグループ三十数人が、急な階段を黙々と登る様は絵になっていたと思う。
午前中2寺、昼食をはさんで午後に2寺を巡る予定。
昼食の際、母娘のお二人と同席になり、『どちらから来られました?』・・・というような会話からあれこれ話が始まり、自己紹介が一通りすんだ時、私と同世代かあるいは少し若い御婦人の方が、『先ほどバスの中で、バカとおっしゃっていた声が聞こえましたが…』と言われ、2寺目を参拝したあと、相方が自由行動中迷子になり、バスに帰ってくるのが15分ほど遅れた時、先に着いていた私は相方に電話して様子を聞いた際、ついいつものように『バカ!』と、バスの中で一喝してしまい、全員に聞こえたその事を言っていたのだ。
御婦人は、『主人を14年前に亡くしましたので、(バカと言える仲の)お二人がうらやましいです・・・』と笑顔でおっしゃり、私を批難したわけではなく、一同皆大笑いしたものの、私は赤面のいたりであった。
しかし、これで済んでいれば別に問題もなかったわけであるが、最後の4番目の寺でより重大な事件が起こってしまった。
参拝も済み、各自40分ほどの自由時間が与えられた際、ガイドさんからお土産さんが立ち並ぶ店に、おいしい『ヨモギ餅』も販売しています・・・という情報が事前にあり、これはアンコ大好きな私としては『Mustマスト!』と、必ず行く腹積もりであったので、相方を引き連れて1個100円の焼きたての草餅に舌鼓を打ち鳴らした後、相方の好きな印伝屋の財布を扱っている小さな店に入り、親切な店員さんとあれこれ話してると、相方の気に入りそうな品物が店前の道を川沿いに下っていくと本店があるので…と教えられ、川沿いに下れば我々のバスが駐車している所に行き着くと思い込んでいた私は、相方を連れどんどん坂道ったのだが、どうもそれらしい店もないしバスも見当たらず、ついに相方が『方向が違うじゃないの?』と疑いだし、時計を見ると集合の15分前となっていた。
『あれ~、おかしいなぁ、川沿いに行けばバスにもどれると、ガイドさんが言っていたはずなのに・・・』。
その後焦った私達は同じ道を行ったり来たりしてるうちに、相方は『バス会社に電話して事情を説明して、皆さんを待たせることなく先に帰ってもらうよう連絡して!』とは言うものの、連絡先の電話番号もわからず私は途方に暮れ、相方から『バカ~!』の一喝が・・・。
こういう時は原点に戻るのが賢明と思い直し、坂を登ること三度目、焦りも手伝って汗だくになりながら前方を見ると、遥か先の交差点にバスの運転手さんが立っている姿が見えて、『嗚呼~、佛は我々を見捨てなかったか~』の思いが沸き、だいぶ後方であえぎながら坂を登る相方に私は助かったのサインを送ったのであった。
バスに着くと、外で心配していたガイドさんが、『いやー、心配してました…よかった。5分の遅れです~』、私としては20分以上皆さんをお待たせしていた、と思い込んでいたので、ちょっとズッコケたが、バスに乗り込んだ際、皆さんに深々とお詫びを申し上げると、後ろにいた相方がすかさず、『今回は主人が道を間違えました~』と間髪をいれずに公言したのであった・・・。

『 少しずつ ボツの写真が 増えてきて カレイな変化 侘び寂びのつね 』馬骨
ガイドさんが言った『川沿い』は川沿いでも、川の山側であって、私がせっせと下った川沿いの下側ではなかったのである・・・『バカ者!』
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